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2014.4.28 「おけけが語る」
おけけ

おけけは深沢幸雄の魔力に吸い寄せられるように、青梅市立美術館へ行った


版画の底力2

俺は版画というものが何故か昔から好きだ。
基本的に美術全般が好きだ。だが、中でも版画の前に立つと、吸い寄せられるように見入ってしまう。
何故かはわからない。

しかし、版画と言っても技法は色々とあるようだが、その辺のことは知らない。
版画というのは、要するに“版による写し”という事なのだろうが、この魔力はどうしたことか?
書いたら終わりではなく“刷る”という行為。ここに魅力が加わる要素があるのではないだろうか。

今回俺が進入した青梅市立美術館では、4/12〜5/25までの間、深沢幸雄の版画が展示されている。
なんと入場料は200円らしい。(俺には関係のないことだが)

深沢幸雄の版画の迫力は一見の価値がある。

初期の作品はほぼモノクロだ。
細やかな点と線が絡み合い、様々な形、グラデーションを織りなす。
とても深い、そして暗い世界だ。まるで自分自身を深く見つめて行くうちに、自分の内臓を見てしまったような錯覚に襲われる。
無色彩であることがかえって、そのおどろおどろしい内臓のような印象を際立たせている。そしてとても美しい。
内省を限りなく尽くすような視線、洞察。

そして次第に、その作品達は色彩を帯び始める。
作品の中のテーマ、というか深沢幸雄自体の持つ世界に変化は殆どないように思うが、色彩が入り込むことによって、少し鋭さは影を潜めるかのように一瞬錯覚する。しかし、違う。

鋭い視線は、色彩によって別の角度から姿を現し始めるのである。
俺は絵から一歩後ずさりしてしまう。

更に進んで行くと、更に圧倒される世界が広がる。

初期のモノクロ時に感じた鋭さと、色彩感覚の豊かさが見事に融合し、深沢幸雄の世界が一気に広がりを見せるのである。
それは見事としか言いようがない。
人間の短い生涯でも、1つの事を追求する事によって、ここまで純粋化が可能なのだ。

今回の展示では、深沢幸雄が歩んで来た大体の流れに沿って見る事が出来る。作品数も満足のいく数があり、深沢幸雄の世界を堪能するには最適だ。

しかも、俺が青梅市立美術館に進入したのは、日曜日の昼間だが、俺以外誰も人がいなかった。。。
つまり、版画と一対一で対峙する事が出来るのである。

普段、都心の美術館で人ごみに紛れて見るのとは訳が違う。
絵が語りかけて来るエネルギーをダイレクトに受け取れる感覚。それがここでは味わえる。

この感動は、是非人間達にも味わってもらいたいと思う。

しかし、経営という視点で見ると、この人の少なさでは。。。と思うが、俺には関係ない。

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