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2014.3.19 「おけけが語る」
おけけ

俺はそんな時に“櫛かんざし美術館”に行く


櫛かんざし美術館
俺は時々、昔の事を思い出すことがある。
センチメンタルになっている訳ではなく、ただ思い出すのだ。
それは目覚めた時に、夜中に散歩をしている時に、ふとやって来る。
 
おけけの想い出
俺の想い出は不完全で、幼少の頃に出会った可憐な娘を思い出そうとすると、こんな絵になってしまう。。。
しかし、あの可憐さ。透明感といった形にならないものは、いつまでも変わらずに残っている。
そして、それを思い出す度に少し混乱している自分自身に気がつく。
 
そんな時は、地元の東京都青梅市にある「櫛かんざし美術館」に行く。
ここは

東京都青梅市(奥多摩)に平成10年4月オープンした≪澤乃井 櫛かんざし美術館≫は、収集家として著名であった岡崎智予さんのコレクションを一括継承し、さらに新規の収蔵品を加えて、集大成したものです。

≪澤乃井 櫛かんざし美術館≫の収蔵品は、江戸から昭和までの櫛とかんざしを中心に、紅板、はこせこ、かつら、矢立等に及び、その数は4000点にも達します。技術の粋を集めたこれらの工芸品は、わが国の風土の美しさ、日本人の精神的豊かさと併せて、先人たちの類まれな器用さを端的に示すもの。

この貴重な文化遺産を末永く伝え、一人でも多くの皆様に、日本の美を再認識していただければと願って当館は設立されました。

そう、ここにあるのは俺がかつて人間だった頃を思い出す品々が溢れている。
町娘達がお洒落をする為の櫛、かんざし、笄。
そして大人達が自らの粋を見せつけるかのような豪華な喫煙道具や印籠。
 
職人達がこぞって腕を振るい、トレンドが作られた。
そこには使う者、作る者、その両者に確かなスタイルが存在していた。
 
高価で気軽に買えるものではない。だが、男は女を喜ばせるため。
女は自らを飾り立て、粋に振る舞った。
職人達は妥協する事無く自らの技術を注ぎ込み、それを買う者はその技術に敬意を払い大枚をはたいた。
現在の大量生産、大量消費とは全く仕組みが異なったのだ。
 
俺は、ここに来る度に思い出す。
いつも苦労をかけている母の為に、なけなしの金で櫛を買う男。
新しい簪をこれ見よがしに見せながら道を行く町娘。
男達を虜にする為に着飾った芸者達の頭できらびやかに揺れる簪。
そしてそれを見て満足そうに微笑む職人の顔。
 
俺にとって櫛、簪はキラキラした想い出と結びついている。
 
ここに来たときだけは、誰の服にも毛を付ける気にならない。抜け毛も無いように帽子を被る。
認めよう。俺は少しセンチメンタルになっているのかもしれない。
※おけけの毛は、毛根から離れて暫く経つと陰毛のようにカールします。

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